Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

言葉という釣り具

『貴方は魚を捕る漁師ではなく、人を採る漁師になりなさい』


新約聖書には、イエスが漁師として魚を捕っていたペトロ、シモンにこう呼びかける一文が出てきます。『人を採る』なんて表現はいささかきつい表現と思うのですが、人の心を掴み導く人になりなさい・・とでも訳せばとても自然だと思うわけです。聖書には意訳が許されないのでしょうけどね


漁師は『網・釣り竿』という道具で魚を捕まえるわけですが、人の心を掴み導く漁師が使う一番の道具は、『言葉』だろうなと思うわけです。ペトロやシモンは使徒伝道者であるわけですが、教師、政治家、営業、コンサルタント、小説家、ジャーナリスト、マーケターというのは、みな人の心を掴み導く漁師であり、『言葉』が道具。


S・ジョブズのプレゼンテーションなんて、まさに人の心を掴み導く漁師・・そのもの。


言葉は神と共にあり、言葉は神であったのですから、それもそうなのでしょう。そういう事を分からない人が、ハードカバーの専門書に書いてある難解な理論、漢文のような表現を得意げに使っているのを見ると、残念だなと思ってしまうのです。それは、自己顕示のアクセサリーとしての使い方ではないのかと。


そもそもそういう人は人を採る漁師という意識自体がないのでしょうけど。