Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

下町の銭湯

幼い記憶が残るその時代は昭和40年代の後半。内風呂を持たない木造アパートが多かった当時の東京は、近所を歩けばそこかしこに銭湯があった。

 


杉並区方南で内風呂のある社宅住まいだった僕においては、近所の銭湯に行くのはちょっとした別世界への探訪。お風呂が使えなくて銭湯に連れていってもらえる機会がいつも待ち遠しかった。大きなお風呂に入って、コーヒー牛乳を買ってもらって。湯桶を片手に家路をサンダルで歩く。

 


その時の記憶がずっとあるからなんだろう。銭湯に行くの結構好きだったりします。

 


武蔵小山に住んでいたときは、近所に清水湯という天然温泉なのに銭湯料金のとてもいい銭湯がありました。これはこれで良かったわけですが、新川に来て一つ楽しみにしていたこと。それは下町情緒溢れる近所の銭湯に行くこと。

 


佃や月島はもっと銭湯が多い印象があったのですが、意外と少ない。近代化が進んで淘汰されてしまったのでしょう。

 


新年明け兼ねての考えを実行に移すべく、思案して自転車で行ったのがお隣の台東区東上野にある寿湯。浅草と上野の中間点である稲荷町駅のそばにあります。立派な瓦葺きで風格ある表玄関。浴室には立派な富士山。よきテルマエなり。

 


場所柄か栗唐模様を背中一面に羽織った方もいますが、お歳を召した年齢層が多い。自分が普段接しない人たちと間近に介する場所。そして懐かしく特別ないい気分。これが自分の中の一つの原風景。

 


もし、将来独りになってしまったら、近所にいい感じの銭湯のある街に住むの悪くないですね。ちなみに台東区は独り暮らしで65歳以上の人ですと月20回のチケットを無料で配布してくれるのです。どおりで…

 


千と千尋の神隠しには間に合うように帰りましたが、自転車で20分だとこの季節は湯冷めしちゃうね。