Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

レハレハの啓示

ヘブライ聖書によれば、ユダヤ人の始祖アブラハムは、ある時「レハレハ」(すべてを捨てて、新しい土地へ行け)と、神から告げられた。父の土地を捨て、親から引き継いだ豊かな生活を捨て、全く新しい土地に行き、もう一度ゼロから始めよ、と神は命令した

 


「レハレハ」は、自分自身の内面に深く入って、全く知らなかった新しい自分を見つけよ、という示唆に富んだ言葉。つまり、ゼロに戻った時こそ、新たな自分に出会えるチャンスだということ(ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集)

 

 

 

 


ゼロベース思考というけど、ことキャリアにおいて積み上げてきたものを一度ゼロにして挑戦をするというのは口で言うほどに簡単なことではなかったりする。人は、未知の環境に身を置くことを基本的には好まないし、積み上げてきたものに頼って局面を打開する方が遥かに楽だから。

 

 

 

すべての物事が必然的に起こるというのであれば、慣れた環境を変えざるを得なかった不測の出来事も、そして全く予見のなかった機会の提示も。それは、僕にとってのレハレハだったと言えるのだろう。あのままのキャリアであれば、限定された領域だけを遂行するエキスパートであり、将来の絵姿もおおよそ見えていたから。

 

 

 

何のプレッシャーもない。圧倒的に優位性のある仕事ができる。でも、僕というのはそういう環境には縁遠い人間らしい。

 

 

 

でも、マザー・テレサが神が望んでいるのは、成功ではなく挑戦だという金言も、きっとそれはレハレハの勧めなんだ…と思っている。