Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

理想の彼はペンフレンド

離婚に伴い母親と離れ父子家庭になったソ・ダルミ。寂しそうにしている孫の様子を見かねた祖母のウォンドクは、彼女のもとに身を寄せていた両親のいない青年ハン・ジピョンに架空の人物を見立てた文通を始めるお願いをする。文通は1年にもわたり、ソ・ダルミは文通相手に理想の男性像を見いだすようになっていく…(スタートアップ 夢の扉)

 

 

 

文章でのやりとりは、自分の想像で相手の表現を埋めていくから、相手は次第に理想の人になっていく。そうなってしまうと、自分で創りあげた理想を凌駕する人物なんてそうそう現れるわけでもないですから、想いは一層募っていくという循環になるわけで。学生時代の一時の文通経験が、その後の恋愛経験を阻害するというのも、あながちあり得なくもないでしょう。日本のプリンセスもきっとそう。

 

 

 

昔、1年近く文通をしていたことがありました。インターネットがまだ無い時代。モデムを使ったパソコン通信NIFTY-Serve。20代の前半。互いに好きなアーティストの共通項があり、それがやり取りの端緒でした。

 


こちらが3、相手の返信は1くらいの割合。先方は東北の人で写真も何も分からない。でも日々の出来事を文にしたため、相手の返信を待つというのが仕事が終わった後の楽しみでした。

 


1年もたった頃、彼女は関東に出てきて独り暮らしを始めました。沿線も常磐線と同じで、初めて会ってみようか…と会う約束をしたのです。綾瀬のファーストフード店でした。互いにマックユーザーで、彼女からこれは便利なユーティリティソフトが入った本なんだけど、良かったら使ってねとムックをもらい、1時間くらい会話をしたのだけど。そのあと変に冷めた自分を感じてしまっていたのでした。様々な自分を開示し、相手のことも良く分かっていたつもりだったのに…

 


それはなぜ?

 


彼女が少し地味な人だったからなのでしょうか…性格はとてもいい人だったのです。実際にそうでした。僕はそこに自分の理想を過度に投影していたからなのでしょう。

 


彼女には本当に悪いことをしてしまった。今だったらこういうシチュエーションはなかなか無いだろうと思うのですけど…映画だけです。そこに目の覚めるような人がいるなんてことは。それも含めて自分の若き故の愚かさです。