Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

憧憬の水準器

『歳をとって奇妙に感じるのは、自分が歳をとったということではない。驚かされるのは、自分と同世代であった人々が、もうすっかり老人になっている…とりわけ、僕の周りにいた潑剌とした女の子たちが、今ではおそらく孫の二、三人いるであろう年齢になっているという事実だ。そのことを考えると、ずいぶん不思議な気持ちがするし、ときとして悲しい気持ちにもなる。自分自身が歳をとったことについて、悲しい気持ちになるようなことはまずないのだけれど。

 

 

 

かつての少女たちが年老いてしまったことで悲しい気持ちになるのはたぶん、僕が少年の頃に抱いていた夢のようなものが、すでに効力を失ってしまったことを改めて認めなくてはならないからだろう。夢が死ぬというのは、ある意味では実際の生命が死を迎えるときよりも、もっと悲しいことなのかもしれない。』(村上春樹  ウィズ・ザ・ビートルズ)

 

 

 

この感覚は共感するな。鏡に映る自分や写真に撮られた自分の中に歳をとったことを認めたとしても、そこまでがっかりはしないのだけれども、同世代の人たち、特に心のピンナップに留まっている女の子たちにおいて年齢の影を見るとちょっと悲しい気持ちになるもの。

 


もちろんそれは僕を見る相手においても同じなのだろうから、きっとおあいこなんだよね。まあ、そういう人がいたらの話だけど。