大手クライアント向けの研修デリバリー。プロジェクトメンバーが珍しくオフィスに集っての一時。テーマは、クライアントにおいてバランストスコアカードを踏まえた組織目標の設定研修。
この研修を引き受ける際には、社内で少々面倒なやりとりがありました。それは、バランストスコアカードというニッチな領域の専門的スキルをメンバーにおいて十分に持ち得ない中で、研修を引き受けることは適切ではないのでは。その上では他に委託することも含めて再考すべしという声でした。
とはいえ、人事制度改革を提供している文脈の中で、新制度を適切に運用する事を目的として依頼されている研修。クライアントや新制度のエッセンスを知らない第三者に委託することをクライアントは望んでいない。バランストスコアカードにおいては僕自身も少々覚えもある。
僕やメンバーの力を信用していない人間があれこれ言うのは分かりますが、なんとか出来るだろうという目算もありました。
果たして僕ら以外の有力な人材も見当たらず。案件を引き受け実施することに。いわゆる通常の評価者研修とは全く異なるコンテンツですから、アジェンダから書き起こしです。
でも、過去の経験をひもといていくと、必ずしもスクラッチのコンテンツではない。メンバーも僕の書き起こしたアジェンダやアイデアからイメージを膨らませ、うまく肉付けをしてくれた。テクニカルアドバイザーのY女史もスマートな目線を入れて最後の補正をしてくれた。タイトなスケジュールで初めての内容だったにも関わらず、無事にコンテンツはできあがったわけです。
講師は僕が務めました。初物の研修コンテンツをPMがデリバリーするのは宿命ですね…
メンバーの知恵を絞って作り上げたコンテンツに、自分の解釈と説明を加え、200名強の対象者への二回の研修は終了。研修には社長や常務も参加してくれたこともあり、ほどよい緊張感があったことも奏功しました。内容は好評価を持って受け止めてもらえました。
バランストスコアカードについて僕が少し関わっていたのは、もうかれこれ20年も前のこと。テーマも組織・人事ではなく、製造業のERP導入に伴うBPRコンサルタントだった時のことです。
ま、バランストスコアカードをまともに運用しようとしたら、ERPシステムとの連動は不可避だし、戦略マップを作るためにはビジネスプロセスの可視化も欠かせない。単なるツールではなく、実運用の視点はよく分かっていました。これは、いわゆる人事屋では持ち得ない経験。(ただのKPIツールだと勘違いしている人が多いのよね)
でも、20年もたってからそういう経験が生きる局面が来たりするわけで。人生というのは点と点がふいに繋がることがあるから面白い。
研修後にはメンバーのUさんが気を利かせて、僕の誕生日のサプライズプレゼント。貰ったのはMr.CheeseCake…この集まる機会を逃さず準備してくれたそうです。この気の利かせ様はとても素晴らしいことだと思います。
家に持って帰ったら、『凄い❗これって食べたいけど全然手に入らないすごいケーキなんだよ。お父さん価値分かっているの?』
という娘の反応でした。なんか昨日夜これを食べている動画をみたのだそうで。正夢か…と。
で。その前にスライドと音楽でメンバー二人の演出があったのだよ。と話したら、『めっちゃいい部下の人たちだねえ…わざわざそんな事してくれるんだ…』と家族みんなが感動してました。
今年は、心がかき乱される出来事が多く、精神的にしんどい局面が多かったですけど。クライアントから感謝の言葉をもらったり、メンバーからお祝いをしてもらえるというのは、嬉しい瞬間です。
僕のことを知らない第三者が、いくら僕を非難したとしても。見てくれている人はいるということを忘れず、励みたいものです。