リモートメインの働き方になると、圧倒的に減ってしまうがスーツを着ること。ビジネスカジュアルを通り越し、暑い季節においてはウィークエンドとほぼ変わらず、Tシャツに短パンという出で立ちで良いのですから。対面のリモートワークにおいても、せいぜい襟付きのシャツで良いので、なんとも気楽なもの。
コロナ禍が起きる前からスーツ市場は、単価も数量も縮退していたわけだけど、今回の出来事でこの動きはいよいよ決定的なものになったと思うわけです。そしてスーツを着なくなると、付帯していた靴や時計といったアイテムだってバリエーションが不要になる。
そう考えて、5月は連休中にヤフオクで数本の時計を売り払いました。ウィークエンド用、ビジネス用、ランニング用。目的別にそれぞれ一本あれば事足りると思ったから。一応ビジネス用だけは、2本だけを残しておいたけど、コンマリの教え通りときめかない物は処分して良いわけで。
外出で時間を気にすることは大きく減るから、時計はあまり必要ないよね・・と思いつつ。先日購入したのがISSEI MIYAKE 岩崎一郎デザインの時計。4年前からずっと気になっていて、お気に入りには入れていたのだけど、この環境下で在庫処分で半額で売り出すというところがあり、思案の上で買ったのでした。
実際にどうだったか・・思った以上に良かったと思っている自分がいたりします。
基本的に『道具』は、目的充足の機能さえ持っていれば何でもいいのかもしれないわけです。でも、道具が提供するものは目の前の『不』を解消するだけではなくて、使い手の『感情』を高揚させるという隠れた大きな目的がある。
時計においては自分がいつも無意識に身にまとっている『空気』を意識させてくれるもの。その空気が少し上質なものに変わるのだとしたら、それは十分にいい買い物をしたと言えるわけです。洋服もそうですよね。
オンワード、SANYO、レナウン・・スーツの名門メーカーはどれも窮地に陥っています。ISSEI MIYAKEなどのアパレルファッションも内定取り消しをした位で、相当に厳しい経営環境。とはいえ、気持ちを高揚させるファッション業界の名門には頑張っていい商品を出し続けてほしいと思うものです。