「バスはある方向に同じ目的で動く乗り物だが、乗っているバスから飛び降りてもいいんだよ、と言われても人間は案外とつまらないことしかできない。
同じようにアバンギャルドとかアウトサイダーは意外につまらない。想像力は、ある程度リミッターがかかっている方が変形して突出することは歴史が教えています」(千住博)
これは、建築や美術といった領域に限らず、コンサルティングワークでもいえること。予算、時間、クライアントの必須要件…その中でいかに新しい取り組みができるか。それはまるで、圧力釜のごとく高い気圧をかけることで仕込んだ物事を芯から溶融させ、新たな味を引き出すような装置となり得たりする。
何でも自由にやっていいというのは、蓋のない釜のようなものでいつまでたっても物事が煮詰まらない。
だから、『何でもおまえの好きなようにやりなさい』となにかにつけていう親は子供の創造性をひきだせなかったりするのだと思うのです。