Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

たかがコンサル、されどコンサル

昔、コンサルタントという仕事は虚業ではないかと悩んだことがありました。ハッキリとしたサービスやモノを作り出して便益を届けている事業会社と比べて一体何が価値なのだろうか…と。

 


構想という見えない建造物であったり、問題の発見と解決への示唆であったり、合意形成に向けたコミュニケーションコストを第三者の介在で下げるということは立派な付加価値である、ということが確信できるようになり、虚業という意識はなくなっていきました。

 


それでもコンサルタントという仕事の難しさやその覚悟をことさら強調して他人に語る人間には今でも抵抗感があるのです。なぜなら、新しい職能に来たからには、相応の覚悟が必要だし、それはなにもコンサルタントに限らないから。だから、何かにつけてそのことに言及する人においては、『貴方は他の仕事を経験したことがあるのか?』とカチンときてしまうのです。

 


過去を振り返ってみると、大変だったのは事業会社(リ社)で新規事業の立ち上げを業務委託という立場でやったこと。

 


社内を一枚岩にして動かし、顧客にも有用性を認識してもらわないと事業は立ち上がらない。部分的な示唆で済むコンサルタントなんて楽。事業が立ち上がって生き延びていくために、全知全能で臨むことが必要だったから。

 


だから、コンサル業界しか知らない人に、滔々とコンサルタントとは?などと語られると、自分にプライドを持つのはいいけど、おおよそ世間知らずの人だな…と思ってしまうのです。学生相手のイニシエーションならいいけどね。