Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

事務職ってなあに?

幼稚園か小学一年生の頃だったと思う。父親が何の仕事をしているのか友達に聞かれた。母に聞くと『事務の仕事をしている』という。「ジム」なんのこっちゃ。僕の父さんはジムの仕事をしてるんだ…そう言うと、友達はキョトンとしていた。

 


当時、テレビアニメでミヒャエル・エンデ原作の『ジムボタンの冒険』というのをやっていたこともあり、ジムボタンみたいだね…という反応。僕も聞かれたら困ってしまうから、まあそれでよかったし、ネガティブな捉え方をしなかったのも嬉しかった。それにしてもジムって何?

 


そのうちに父は電力会社で働いているのだと分かるようになる。何か事故が起きたり、自然災害が生じると会社に行って対策をするため帰って来れない。原発の現場にもよく出張で行っていた。原発なんて必要なのか?と素朴に聞いたら、えらい怒られた。

 


後に分かったのは、人事部安全衛生管理の専門だったということ。自分のことなど一切話さないから、人事部ということも何も一切知ることがなく、それを知ったのは父が退職してからだった。

 


血というものは面白いもので、半官半民の電力会社とはおおよそ異なるコンサルティング業界に就職したものの、30半ばで専門領域に自ら定めたのは同じく人事だった。その事を父は知っていたはずだったが、僕には自分が人事にいたことなど、おくびにも出さなかった。知っていれば、聞いてみたいことが色々とあったのだが…

 


僕は無口だった父とはまるで性格が違いお喋りだし、在宅ワークもあるので、子供たちは僕がどんな仕事をしているのか、専門が何かということはおおよその理解をしてくれている。

 


そのことが直接何かの役に立つわけではないのだけど、自己のアイデンティティ形成において親のことを知っておくというのは大事なことだろう…と思っている。