人間の体なんて結構もろいものです。事故という外的衝撃ではなく、タチの悪い感染症にかかれば若くて体力のある人であろうが数日で重篤になります。
ドミノが一挙に倒れるようにだめになる。
劇症型溶血性連鎖球菌感染症
僕が罹患したのは上記の感染症でした。致死率30%。多臓器不全で後遺症が残る場合もある。30年近く前のことですが、未だに記憶は鮮明に残っています。治療法の確立されていない難病にかかり、一気に自分の体が自分のものではなくなる、この恐ろしさと無念さといったら…これに比べたらどんなこともかすり傷です。
そして、そういう憂き目にたった人間からすると、生きている限りはパフォーマンスをフルに出せる体でありたいし、そのためには体を維持するための時間と労力の投資は、何よりも優先すべきということ。結局、それを怠ると自分も気持ちよくないし、周りに多大な心配と迷惑がかかるのです。
人生ってそれ自体がエンデュランス(馬術における耐久レース)。耐久・持久力があれば、チャンスも多くなるし、長軸で好機を狙うこともできる。でも、そうした努力だって抗えない運命というのもあるよね。
巨星の訃報に接し、あらためて考えてしまいました。