Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ルーズヴェルト・ゲーム

七転び八起きという言葉がある。野球で最も面白いゲームも7-8。米国大統領ルーズヴェルトは日本の諺を知っていたのだろうか…

この『ルーズヴェルトゲーム』をモチーフにした池井戸潤の小説は、土壇場に追い込まれ、何度も逆転を目指しもがく、企業と実業団野球部の苦闘をスリリングに描く名作。アマゾンプライムで久しぶりにドラマ版を見たが、唐沢寿明や山口努といった名俳優を配したキャスティング。緊張感高いシーソーゲームの物語が躍動的に描かれている。何度見ても面白い。

世の中、正直者が馬鹿を見る、純粋な者が邪な人間に蹂躙されるということがいとも容易く起こる。だが、ゲームセットまで決して諦めず胸を張って闘う者の姿は、見るものに感動を呼び起こさせずにはいられない。

『逆転だ!逆転だよ』

難しい経営の舵取りに苦悩する主人公の細川に、会長の青島がエールを送る。一難去ってまた一難。廃部を余儀なくされた窮地の野球部を支えるエースは、冤罪を着せられて野球を諦めることになった派遣社員上がりの沖原。

トップがいくら言葉を発しても、社員は一体感を持ち得ない。私が野球部を作ったのは、奮闘する部員の姿に社員の皆が肩を組み、無償のエールを送るこの光景を見るためなんだよ…

山口努さん演じる青島会長の言葉が胸に突き刺さる。日本企業は、本来関係性や感情的な一体感の重要性をよく分かっていた。ダニエル・キムの成功循環モデルなんて、所詮在りし日の日本企業をモデルにしたものとしか思えないね。