Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ノブレスオブリージュ

池井戸潤の小説には、非常に分かりやすいワルが出てくる。彼らは、弱い立場にあるものを、持ちうる限りの合法的な手段で攻撃してくる。融資の引きはがし、取引の停止、特許の侵害・・など。弱者にいる主人公は、いつも窮地に追いやられる。

だけど、実際には誰からどう見てもハッキリと分かる悪なんていない。

誰だだって弱さや狡さというのは持っている。それが『モンスター』に育たないように普通はコントロールする。危険なのは、モンスターを放し飼いにする力を手に入れた時である。

地位と名誉を手に入れたい、好きな異性をモノにしたい、冒した不正を隠蔽したい…

力を手に入れた時、その力を何のために使っていくのか。その人の持つ姿勢が問われる。変化の激しい時代。全知全能、万能の神になることができないのなら、自己の限界、無力さを理解した上でメンバーの力を発揮させていくためのお膳立てをするのがベスト。『サーバントリーダーシップ』というやつだ。古くはノブレスオブリージュ。

その上で一番大事なのは、子供のような心で人の行っていることを訊き、相手の心の声に耳を傾けること。そう、松下幸之助さんのように。