美しさと正しさがひとしくあると疑わないでいられるのは若さゆえなんだ(青春の瞬き 椎名林檎)
味わい深い一節です。この歌の趣旨とは違いますが、若い人は、正しいものこそが美しいと捉えて突っ走ってしまうところがあります。
ところが正しさは誰においても美しいモノとなり得ないという真実があります。人の心は正しさでは満たせないのです。正しくすれば人の心は満たされる、幸せになれると考えるのは、人の心を解していない若さ故の過ちです。もっといえば自分しか知らないエゴのなせる業です。
美しさや楽園というのは、清濁を併せのむ、互いを赦せる世界なのだと思います。その上で欠かせないポイントは隣人愛であり、自己犠牲だと思うのです。