Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

繋がりの効用

今日は、九十九里浜にほど近いところにある工場の50代の方々を対象としたキャリア研修でした。


「工場も被災したましたし、従業員の方の中にも被災した方が多くいましてね…」

 


宿をとった成東海岸にある相当にくたびれたホテルも、やはり被災をしていた。2月に泊まったときには入れた屋上の露天風呂も、今や外壁が壊れてしまったのだという。

 


夜寝るときに外で何を騒がしく作業をしているのかと思ったら、それは開いた穴を塞ぐブルーシートが風に煽られ立てている音だったり。

 


研修に集まってきた人たち。大小に台風の被害を受けていた。中には1週間電気が止まり、自衛隊の野営キャンプの仮設風呂に入ったという人もいた。

 


人生は、思うに任せないことが多い。天災や家族の病気…夢だけを追いかけられるなんて、家族が多くなればそれもままならないこともある。僕だってそうだ。不治の難病を抱える家族と暮らしている。

 


今日の参加者においては、家族の困難や自身がパワハラを受け、メンタル疾患に追いやられた経験を持つという人が多かった。

 


人の痛みがわかる、そんなに大変な経験をしたのに人にしっかり話せるって、それだけでも十分な強みじゃないですか…

 


自分には大した経験もない、強みなどない…と言っていた相手の瞳に小さな光が戻る。

 


今日は、何をやるんだ…言っていること分かんないよ…

 


そう言っていた受講者の一人。僕の抱える家族の話などを話していると、自分のことをポツリポツリと話しだす。

 


『先生あんた、いいことをいうじゃあないか…人のことよく見てるね。そういうとらえ方あるよな…』

 


最初は斜に構えていた相手のこちらを見る目が優しくなる。全体の場でもとてもハッとする良いことを言ってくれる。自分にとても正直な人なのだ。

 

他にも僕がランニングや声楽、ロードバイクの趣味などを話したせいか、自分も同じ趣味がある、昔あったことを思いだしたのでまた始めたい…なんて受講者も複数いた。

 


最後は田舎の人らしく、丁寧に挨拶して去っていく受講者たち。人とのすれ違いは、心が傷つくけど。少しでも繋がりが持てると人は心が満たされるものなのですね。

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