Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

リアルなアニメーション世界の価値

自分自身の「日常」の価値を再発見

そんな体験ゆえの感謝

 

 

ハリウッド映画では戦闘も恋愛も強者が勝利する。日本のアニメや漫画では主人公が戦う理由に悩み、恋愛でも気持ちをうまく伝えられない。内向的な人間は、声こそ大きくないが世界中に大勢いる。勝者総取りの米国文化について行けない人が繊細な日本のサブカルを支えてきた。

 


京アニが主として描いたものは異国での冒険、未来世界、宇宙、決闘、強いヒーローではない。どこでもある街、何気ない動作。音楽活動、スポーツなら指先の動きから床のすり減り方まで観察し、正確に描く。

 


小説同様、描くものに作者の思いや意味がこもる。ありふれた風景や普段の動作を緻密に描くとしたら、作り手がそこに価値を見いだしているからだ。見た人は自分自身の「日常」の価値を再発見する。平凡に思えた現実が輝き始める。現実逃避ではなく現実の肯定。そうした体験ゆえの感謝の言葉だとすれば腑に落ちる。

 


文化時評 日経新聞8/18

 

 


実に的を射た論評だと思った。京アニに限らず、ハリウッド映画には決して描かれない日常の何気ない世界の尊さと価値が日本のアニメーションの中にはある。

 

 

リアルなアニメーション描く世界は、リアルな現実の価値であり、尊さ。だから多くのファンができるし、聖地巡礼であり、世界から感謝の言葉が集まるような行動が起きるのだと思う。