封建時代の農民は、領主の支配におかれ重税を課せられていた。豊臣時代の税率は約7割(二公一民)、江戸時代の税率は大名ごとに異なるものの5割から6割(五公五民、六公四民)。豊臣時代の税率は、「生きぬよう死なぬよう」に設定されたものであり、ギリギリの生活が送れる極めて重いものだった。
明治維新以降は地租改正が行われ、表面上の税率は下がったものの、土地を持てない小作農は非常に高い小作料を地主に納めなくてはならなかった。結局、領主が地主に変わっただけで、農民の生活は楽なものにはならなかった。
時代は変わり、産業は農業、工業を経てサービス業に。今や封建社会ではなく、資本主義自由経済にはなったものの、人は同じような支配、集金システムを考え出す。それが、フランチャイズチェーンで運営されているコンビニエンス業界。
オーナーは、売上高に応じてチャージ料を支払わなくてはならない。その料率は、約6割。セブンイレブンの料率がもっとも重く約7割。ファミリーマート、ローソンが約6割。江戸時代の年貢同様に極めて重い税率がオーナーには課されている。
自分で店を持てない人間においては、少ない投資のFCで一攫千金を夢みて開業するものの、仕入れた商品は廃棄分も含めて全て買い取りをしなくてはいけないし、アルバイト店員を集められなかったら、オーナーが出ずっぱりで店を運営しないとペナルティが待っている。撤退するにも莫大なペナルティが課せられる。進むも地獄、出るも地獄・・
農民が、コンビニエンスストアという場で働いているだけで、支配と搾取の構図はなんら変わらないのである。それにしても、人というのは世の中が変われど、似たような構図で人を虐げる。実に罪深い。これは革命が起きておかしくない状態だと思う。