Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

同志がいるということ

経営とは、人々を通じて事をなすこと(Do things through others)であり、それによって、社会や人々を幸せにすることに究極の目的がある。


このため経営学の真の目的とは、社会や人を幸せにするための学問ということになる。中でも、組織・人事の領域は経営と人を繋ぐ要衝点であり、幸せを考えていく上で欠かせない機能といえる。


組織・人事は、経営システムや組織、人的リソースといったハードの視点と働く人々の思い、感情といったソフトの視点に切り分けることが出来る。どちらかといえば僕は後者に特に関心がある。戦略の前に経営者の生き様や価値観、理念。従業員であればモチベーションやキャリアといった側面。僕においては、個人の幸せという北極星のもとに、処遇も仕事もマネジメントもぶら下がるという構造なのだ。


個人の視点に立ってモノを考えていく、問題解決をしていくためには、従事者たるもの自分の感情や価値観、生き方というものにまずは関心を持つ必要があると思う。外形的基準や他人軸でモノを捉え評価している人にはこのテーマは向いていない。内面の多様さや複雑さを解せず、アセスメントによるタイプ論で人をレッテル張りして理解、処理しようとする人もである。基本的に、素直で、自分らしく自然に生きている、生きようとしている、心を意識して大事にしている人こそがふさわしい。


そうした観点に立ったときに、前職では同じベクトルで道を歩む人がいなかった。業務委託社員が中心の組織であったけど、正社員においてはそうした人が皆無に近かったといってもいい。草創期にはいたけど、途中段階でそうした社員は卒業してしまったというのが正しいかもしれない。事業の方向性や判断を行うのは、社員だからいつも葛藤やストレスを抱えていたように思う。


僕らの組織では、「仕事大賞」という一年の取り組みの中で自薦他薦を問わず、「大きな仕事」と考えられるプロジェクトをノミネートし、グランプリを決めるというイベントがある。


今年も年度末となりメールでの応募案内に、ミドル・シニア領域のソリューション開発プロジェクトを記載して提出しようか・・とぼんやりと思っていた。そうした折りに、K嬢とM嬢との打ち合わせの冒頭でいわれたのである。チームとして、自分たちが取り組んだソリューション開発プロジェクトのエントリーをしましょう・・と。


この組織にきて2年が経った。僕が歩いている道は基本的に変わらないけれども、一番の違いは、振り返ると同じベクトルを向いて歩いている仲間がいるということ。そんなことに改めて気がつかされた瞬間だった。