Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

デジタルネイティブの編集力

紙媒体を読む機会が減少する昨今。新聞も雑誌も読まず、ネットニュースしか見ないなんて人も多くなっています。


それに伴い、俯瞰して情報を把握し自分にとって大事なモノを選び取っていくことであったり、見出し、ヘッドライン、ディテール、といった記事のストラクチャー、理解促進のためのチャートやグラフの使い方を解していない若い人が増えています。


戦略コンサルティングでは、ロジカルライティングを体得する上では、「新聞を意識して読め」ということがよく言われたものです。新聞はメディアとしては、完成されたフォルムを持っており、意識して見ることで素養を養うことができます。


でもそれは、電子版ではなく紙面ビューでないと難しい。電子版はクリッピングしたり、検索をする上では長けているのですが、俯瞰には向いていない。


同じことは書店についても言え、キーワードでの検索性はAmazonなのだけど、世の中でどのような書籍が出ているのか、意識に止まっていなかった本を発見するという機会は持ちづらい。


結局、電子ニュースとAmazonだけで情報に触れている人は、情報収集力が一見あるようで偏った情報や二次情報しか持ち合わせていないし、編集力が極めて低かったりする。そして、そういう人の作るドキュメントは、とても見れたものじゃない。


こういう人に、OJTだけで育成を図ることには限界があり、日常の情報収集の方法や触れるメディアの内容を変えてもらうことから始めていかないといけない。


正直言ってこれはかなりつらい。そんな状況に接するにつけ、最新ツールを駆使しているデジタルネイティブの人たちが、情報収集力や編集力のほどはどうかというと、その実は極めて怪しいものだなと思っている。やっぱり上質なものに触れていない人は、上質なものを作る力はないですから。