Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ランチタイムの憂鬱

学校や職場でランチを共にする仲間がいないことに恐怖を覚えるコミュニケーションの葛藤を抱える人が増えているのだそうだ。それを恐れるがあまり、トイレでお弁当を食べたり、会社を辞めてしまう人もいるのだとか。もしくは、それを恐れるがあまり気の合わない人の誘いを断れず、却ってストレスを抱え込んでしまう…とか。


自己肯定感が低いと刹那の集団主義に身を委ねがち。


先日の米倉先生も紹介していたが、日本人の若者は諸外国から比較しても著しく自己肯定感が低い。


https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/img/tz_01.gif


福沢諭吉は、独立自尊を説いたが自尊感情の低い人は独りでいることに耐えられない。何かにすがろうとする。でも、集団への盲目的な依存は自分を却って殺してしまうことになる。それは、「自分の暮らしが自分を一番傷つけていると泣いてる」(尾崎豊)の世界だ。


自尊感情が育たない原因は画一的なモノサシで人を評価する学校や親に一因がある。都市部に人口が一極集中し、その中の学校や塾で画一的な基準で序列付けされていると、劣後に置かれた多くの人間においては劣等感しか根付かない。自尊感情を育てていくには、個性に基づく能力発揮と評価の機会を与えていくしかない。


もう一つは、自分という存在の『繋がり』を再認識していくこと。過去からの繋がり、今に生かされている社会や自然との繋がりを感じること。特に過去からの繋がりという観点では、核家族化が進んだことで家族の系譜を知らないということも大きい。自分という存在が生まれてくるにあたり、どれだけの先人の歴史が重ねられたのか。そこに思いをはせるだけで、自尊心というものもおのずと生まれてくる。


ちなみに、コンサルティング会社においては、『ランチメイト症候群』の人は少ないように思う。むしろ、群れることを好まない。もちろん、あまたのコンサルティング会社があるし、間口も広いので言い切ることはできないけど。そもそも自尊感情が低い人は、未解決かつ未知の課題に対応するにはメンタルが耐えきれないし、人から動機付けしないと働けない人は厳しい言い方だけど向いていないと思う。


もちろん、『強くなくては生きていけない』けど『やさしくなくては生きている資格がない』のだけど。