Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

物語の続き

蒸し返す暑さの名古屋。今日のクライアント訪問は、5人の大所帯だ。僕にないケイパビリティを持った新しい仲間と一緒だ。つい1年前の光景が蘇る。

 

 

『もともとあなたに期待して頼んだのだからさ、どんどん提案してよ』

 

 

日に焼けた精悍な顔。目の奥に、強い瞳の光が宿っていた。移籍して初めての名古屋。久しぶりという感もなく、もう慣れ親しんだ街。名鉄の乗り換えだって、今は迷わない。変わったのは、一緒に回る相棒と差し出す名刺だけ。不思議な気持ちになる。

 

 

部長さんは僕のことを良く覚えていてくれた。何回も足繁く通って形にしたのだから無理もない。ようやく構想が出来、最後はコンペで決めるということになった。

 


昨年2月のコンペプレゼンの日のことは、今でもハッキリと覚えている。その前々日に僕を奈落の底に突き落とす、契約満了の告知を受けていたから。

 


何とか平静を保ってプレゼンは終え、結果は圧勝だった。でも、期待を受けても僕がフォローできないのは分かっている。悔しさとほろ苦さだけが残った。

 


まあ、過ぎたことなどどうでも良い。仕事は、会社がするものではなく、前線に立つ人間がするものだ。とかく、仕組みの中で会議室からしか物事を見れない人間は、そこが分かっていない。人が変われば、出来ることも変わるもの。

 


まともな顧客はそんなこと分かっている。だから、相手だけを見つめ、新しいところで物語の続きをまた書いていけばいい。果たして物語の続きは、新しい仲間と全く異なるフォーマットで描けている。人生はだから面白いのだ。