バタフライ効果。世界は見えない鎖で繋がっている。
微細な蝶の羽ばたきが空気に及ぼす力学作用が、地球の反対で竜巻を起こす…というのがバタフライ効果。ここまで大きなことでなくても、起きた事象には小さな原因が発端になっている可能性は排除するものではない。
昨年、僕の車が抱えていたオートマチックトランスミッションの不具合。兼ねてからディーラーは、ミッション交換を勧めてきたけど、コスト面でもそれは最後に取る手段と思ってきた。実際にATオイルを交換したり、プラグを交換するとなぜか、ミッションの調子が良くなる。一見無関係な電気系統が不具合に関連しているのではないかとうっすら思っていたのだ。
果たして、イグニッションコイルを交換すると、ミッションの調子はすこぶる良くなった。5気筒エンジンの一つがパーフェクトでなかったからと思われる。一気筒が上手く動いていないせいで、アクセルワークと回転数、スピードの相関にズレが生じる。それが、シフトセンサーにエラーを発生させていたのだろう。
しかし、専門家でも問題事象の裏にある原因を見抜けない。まあ、車だったらまだいい。これが、人間の体だったらどうなのだろう。結構多いのではないだろうか。
患者の病状を部位だけの問題として捉え、外科手術で解決しようとする。ないしは、原因不明の診断を下したり。体調不良の原因は、実は歯のかみ合わせだった、とかね。
全ての問題は俯瞰した視点を持った繋がりとして捉えて対処する姿勢が、専門家に求められるのだと思う。それが出来ない専門家は、問題解決者じゃなく、ただのオペレーターだよね。