「愛のあるところ、そこに眼がある」
神学家トマス・アクィナスが遺した有名な格言。山本芳久氏この格言の対義として「恋は盲目」が相当すると述べている。
愛はまなざし、恋は盲目。含蓄に満ちた言葉だと思う。
相手に本当の愛情を持っているのであれば、相手の心、行動に関心を持ち、明に暗に眼差しを向ける。相手に関心がない人間は、自分の気持にだけ忠実で、相手の心や行動には目を向けていない。それは、恋というレベルのものなのだ。
例えば、大事な人を目の前にして、スマートホンを弄っているような行為は、愛がない行為ということができるし、マネジメントにおいて部下の行動や様子を観察もせず、フィードバックもしないというのは、愛のないマネジメントと言うことができる。そして、愛のない相手のもとでは、人の心は活力をなくし死んでいく。
そうなると、モチベーション・マネジメントなどという一見理論めいた手練手管を身につけるより、愛を持って人に接するという極めてシンプルな原則にどれだけ従っているのかということになるのだろう。