Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ワンダフル・ワールド

明るい笑顔が似合う子が、鉛のようにズシンと重いモノクロームの世界を歌うギャップが昔から好きなのです。そういう曲って、80年台は比較的多かったと思います。南野陽子さんや斉藤由貴さんといった当時のアイドルのアルバムには、そういう曲がだいたい数曲収録されており、深遠なる魅力に華を添えていたような気もします。


アニメーションのエンディング曲も、暗い感じの曲が定番でしたし。あれってどうしてそうなったのでしょうね。

 


最近、そういうパターンの曲って少ないなあ・・と思っているのですが。大原櫻子さんが歌う『ワンダフル・ワールド』という曲は、明るい女の子がズシンと暗い世界を歌うというのをまさに地で行くもので。いいなあと思っているわけです。もう、2年くらい前のアルバムですがね。

 


ヨロコビも、カナシミも
僕たちを染めては逃げる
青春がキレイとか
大人の言葉さ

「自分」とか分からない
「苦しみ」や「不可能」だとか
否定的、悲観的
ワード拾う夜


彼女は、この曲についてインタビューでこんなふうに言っています。


アルバム最終曲の『ワンダフル・ワールド』は最初聞いたときに、とても素晴らしい曲なんですけど、リズム感もメロディ・ラインも今まで私が歌ってきた曲とは雰囲気が違っていたので、果たしてこの曲は私に合っているのかな?と思っていたんです。でも、歌った瞬間、自分の中で今まで感じたことのない何かを掴めたような気がして。全ての曲を録り終えた時に、あ、この曲って私らしいんだ!と思えた曲だったので、とても印象に残っています」


―私らしいというのは?


「私はポジティブ思考で、あまり落ち込まないタイプなんですけど、物事に対して考え過ぎてしまう性格でもあって。そうやって追求することは楽しかったりもするけど、考え過ぎると自分の中にダークな部分が見えてきたりもするんです。もともとポジティブだから、最終的には明るい方向へ向かっていくんですけど、物事に対して深く追求していく普段の自分がこの曲には表れているなって。あと、私は今19歳なんですけど、19歳って子どもと大人の狭間にいるんだなっていう独特の感覚が、この曲にはあると思いました」

 


このインタビューを読んで思ったのです。青春期というのは過ぎてしまった人が明るく輝く美しい季節だと思うかもしれないけど、実際にその時に佇んでいる人においては、先が見えなくてグレーの霧に包まれたような時期。実際にそうだったな・・と。大人になってからの方が、圧倒的にカラフルでワンダフルワールドなのですよね。