仕事とはいえ、”愛している、好きなものや人のために頑張ろう”というのが根っからの動機になっています。ですから、相手の顔の見えない仕事でとにかくやれというのは、得意じゃありません。
好きになる、愛していくためには、相手を知ることから始めていくことになります。会社であれば、創業者の生き様、遺した言葉、会社の沿革、土地の風景、街並み、地元の名産・・知る過程で、多くの美しいものが目に止まります。考え方、エピソード、光景・・そうすると、好きから愛しているという気持ちに変わってきます。
そういう気持ちが生まれれば、お金をもらうための仕事ではなく、愛するもの、美しいものを守るための仕事になります。ですから、長く付き合っているお客さんにおいては、地元の魅力から会社の歴史・魅力まで余すことなく他人にPRすることが知らぬうちにできるようになったりします。
先日、長らく一緒に仕事をしている広報室の女性の方から、『石橋さんは、私達の会社をほんとに愛してますよね・・』と声をかけられました。かけられたときは、一瞬気恥ずかしくて気の利いた返事ができなかったのですけど、そういうのをちゃんと見てくれている人がいるというのは嬉しい限り。そうすると、もっと頑張ろうって気になります。
人がモノや相手に情をもつプロセスというのは、どれも同じ。中身を知らなければ愛せない、一方で知れば知るほど好きになる・・ということ。
だから、愛されたかったら自分のことを知ってもらうようにすることですし、知りもしない相手から愛されようだなんて、そんなことはないと考えたほうがいいのだと思います。