『君は人一倍孤独の中で自分と向き合ってきた人なんだね』
16歳で中島みゆきさんの『空と君とのあいだに』を見事に歌いこなした琴音さん。審査員が声をかけます。人と話すのが苦手、友達だっていない。そんな彼女が唯一自分を表現できる手段が歌。
愛する人が苦しむ姿を敢然とした気持ちで見守る。この歌詞の世界を見事に解釈し、ハスキーな声で歌い上げていきます。背筋に鳥肌、泪が出そうです。
中島みゆきさんの代表曲の一つでもある「空と君とのあいだに」
名曲ですから、様々な歌手がカバーしています。槇原敬之さん、絢香さん・・
この曲は、家なき子のテーマソングとして作詞作曲されたもので、なんでも主人公を見つめる犬の目線で書かれているそうです。
~君が涙のときには僕はポプラの枝になる~
犬の目線から見ると、大切な主人がいて空がある。
男の人にひどく傷つけられた主人は、哀しみの冷たい涙にまみれている
僕は、その冷たい涙の雨を防ぐポプラの枝になるよ・・といっているわけです。
中島みゆきさんが過ごした札幌にはポプラの並木が多くあるそうです。
きっと悲しい時に鉛色の冷たい空を見上げると、ポプラの枝がやさしく包む光景が目に飛び込んできたのでしょう。
君の心がわかると、たやすく誓える男に
なぜ女はついていくのだろう そして泣くのだろう
君が荒んだ瞳で強がるのがとても痛い
憎むことでいつまでもあいつに縛られないで
相手の心を容易くつかむことが出来る人ほど、人の心を持て遊んだりする。
そういう人がもてたりするのですよね・・
でも最後はそんな人に傷つけられる。不器用な人間からすると悔しいけど、遠くから見ていることしかできません。ましてや犬だったら。犬って、無垢で自己犠牲の存在ですから。
調べると、この歌について糸井さんと中島みゆきさんが対談しています。
やっぱり、心を打ち抜く素敵な歌詞なんですよね。そして、その歌詞の力を引き出すのは、歌い手の力。琴音さんのお陰で何年かぶりにこの歌を何度も聞いています。