全ての人工物がそうであるように、建築もまた、何時かは風化して潰えるものです。かなうならば私は、物質それ自体や形式ではなく、記憶として、人々の心の中で永遠に生き続けていく建築をつくりたいと考えています。
その理想に近づくべく、私が試みるのが、徹底してモノを削ぎ落とした無地のキャンヴァスのような建築です。そこに光や風といった自然の断片が引き込まれるときに生まれる空気、その生命力に、人間の魂に訴えかける力を期待するのです。
人々が集い、祈りを捧げる場としてつくられる教会建築の仕事は、私にとって『永遠の建築』にもっとも純粋な形で向き合うチャンスです。中でも1989年に完成した<光の教会>は、極めて厳しい条件であったが故に、より深く、より真摯に、このテーマと向き合えた仕事でした。 (安藤忠雄)
時間のある、しかも良い天気の日に行こうと思っていましたが、ようやく観ることが出来ました。
何時か潰えるモノを作るのではなく、人々の記憶に残る仕事をしたいという言葉が印象的でし た。