Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

優秀さの欠点

優秀さとはほど遠い人生を歩んできました。中学、高校と成績は下降一直線。浪人をして文系にコンバートし、自分の行きたい大学に入りました。

大学では成績は悪くはありませんでしたが、優を並べた学生というわけでもありません。興味があるものは優をとる一方で、だめなものはからきし駄目。

バランスが悪い人間であることは分かっていましたが、コンサルタントという職業が向いていると感じ、片隅に座らせてもらいました。我ながら運がよかったと思うわけです。

コンサルティング会社には学歴もさることながら、頭の良さ、キレにおいては並々ならぬ自信を持った人が多いですし、実際に優れた人間も多いわけです。とはいえ、できの悪い、キレキレでもない人間でも探求心を持ち続け、持ち味を活かせば、人が真似できない価値も出せる。そして、できの悪い人間が苦労して身につけたテクニックやスキルというのは、人に教える観点では良いということ。人の痛みや心情を理解できるという点では、かえって強みなのだと思うようになってきました。

コンサルティング会社では、基本的には自助努力が基本。できが悪くて罵倒されることはあっても、教えてくれる人はいません。少しずつ少しずつ見様見真似、目を凝らして様々なモノを目に留めるようにしてスキルを磨いてきました。特に論理的思考は苦労しました。僕は、直感的なデザイン思考が得意ですが、左脳的なアプローチは苦手でしたから。

優秀である人は、苦労や人の心の痛みをよく知りません。実際に能力が高く自己肯定感が高い人は、対人感受性、共感性が低くなることが明らかになっています。自信がありすぎる人ってのは、唯我独尊で人の気持ちに鈍感になるものなのです。

これは、下に人がついたときに致命的なウィークポイントになります。自分より優秀な人間がつけばいいですが、そうもいかない。下に人がつけられなければ上にはなれません。人を通じて事をなす。それがマネジャーの基本です。一人で出せる付加価値だけで数千万もの売上は望むべくもないからです。

また、新たにこの道に入ってきた人において、優秀であることをことさら意識している人。こういう人は、新しいことを学ぼうとしません。頭を下げ恥をかいて教わり学ぶことをしないのです。ひたすら本を読む学びかただけ。

どの学府の出身であるとか、どの会社にいたとか関係がない。バスケットで優秀選手だったマイケルジョーダンは野球に挑戦しましたが、からきしだめだった。こんな当たり前の事実がよくわかっていない。こういう人を褒めたりするのは、正直無駄です。勘違いを助長させるだけですから。

Stay hungry , stay foolish.
One thing I know that I know nothing.

いつだって真理はそういうことなのだと思うのです。