Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

天気の子

娘と二人、時期ずれで見に行った『天気の子』。双方の感想は、「悪くないけど、よくもない」

 


重い物語だった前作よりはある意味では良かった…とは娘の感想。

 


夕立のようにさっと過ぎ去って後に何も残らないような。あっさりとした心に残らないストーリー。どこにでもいるような主人公と相手の子という設定ではないのに、背景や人物描写がまるでないので二人に感情移入が全くできないのです。

 


それでもって、二人の心の高まりのボルテージの必然性がイマイチ掴めないままに、音楽や台詞で過度な演出をするものだから、これまた操作主義的な匂いを感じて物語に入れないのです。

 


相変わらず絵は綺麗でした。でも、もう新宿はいいかな…あの辺はよく歩きました。鳥居のあるビルも、彼女のお母さんが入院していた病院も…

 


新海さんのテーマは、人にはそれぞれ出逢って繋がるべき人がいて、その人のことは絶対に離しちゃいけないんだってこと。「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「君の名は。」全て共通しています。

 


とはいえ、彼の中に決して埋められない形で存在していたその思いは、もはや映像という形で表現することでカタルシスを得るステージではものではなくなっていて、今や映画を作る目的の元にプロットされているだけです。無理に作り出したストーリーに埋め込んだだけ。

 


彼はもう新しい物語を、他に求めていくべきです。もしくはもっとじっくり物語を練った方がいいでしょう。リアルな映像なのに、あまりにもリアルさがない主人公や物語では、引き立つどころかかえって逆効果…

 


残念ですが、これまでの作品の中では一番最悪です。でも、大変だろうな…こんな売れちゃいけない人なんだよね…

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