Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

道を歩む志

組織の拡大においては様々なバックグラウンドの人材を受け入れていかざるを得ないわけです。こうした中で、標準的な育成カリキュラムや詳細な期待される人材像を策定すべきではないか…という議論が出ているわけです。

 


とはいえ、ITコンサルタントのようにある程度定型化されたストラクチャードなコンサルティングを提供する存在でなければ、人材像定義や標準的な育成プログラムなんて、どれだけギャップを埋めるに役に立つのだろう…と思ってしまうわけです。

 

 

 

例えば、問題発見力やそのベースとなる論理的思考やロジカルドキュメンテーションなんて、一度聞いて身につけることなどできやしません。何度も何度も試行錯誤とフィードバックのプロセスを通じて養われていくものです。

 


不器用で時間がかかる人もいる。いつまでたっても全くできやしない人だっている。伸びない人は、自分の中でのハードルが低いし、客観的に自己を見つめる眼がないのです。これは、もはや育成じゃ無理です。美学や哲学の問題ですから。美学や哲学は、インプットするものではなく、『道』を歩もうとするマインドセットが必須条件。

 


それがあれば、とにかく機会を与え上質のものとかは何か…を感じ取ってもらえば、ギャップは自覚できる。それでも見込みのない人は、与えられるはずの機会を奪い取られ去って行くのみです。プロフェッショナルの世界ってそういうもんだと思います。

 


振り返ると僕は、不器用でどんくさい人間だったと思います。論理的思考やロジカルプレゼンテーションなんて、型を身につけるまでかなり時間がかかりました。それでもなんとかやってこれたのは、重用し可愛がってくれたクライアントと論理性からは導き出せない発想力としつこいくらいの粘り強さだけだったのだと思うのです。

 

 

 

好奇心とこの世界で一人前となって仕事をすることへの渇望心。機会を与え、時には厳しく見守ってくれた懐の深い人たち。必要な情報なんて求める志があれば、幾らでも手に入るのです。マッキンゼーの社内育成テキストブックが書店に並ぶ時代なのですから。

 


結局、道を歩む志がない人に育成プログラムや人材像なんて、いくら提示したって無駄なのです。でもいるのですよね、プロフェッショナルファームに入ると、自然とそうなれると考えている人が。

 


志のある人にストレッチの機会を与え、信じて見守る。背中で教える、フィードバックを行う。創発の機会を多くもうける…そんなことぐらいです。

 


これらは、志がない人には全く効果はないですし、むしろ逆効果でしょうね。