Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

物を見る眼は人を見る眼

服は着られればいい。風呂敷は物を包めればいい。人々の生活がせちがらくなると、安ければいいという風潮が、一種の生活哲学となっていく。だが、それはやがて人間や社会からも大事な思想を奪っていく。
「物」を見る目というものは、人間を見る目でもある。優れた「物」の価値を解せない人は、「他者」をも粗末にするようになっていくのだ。

宮本輝 三十光年の星たち)


優れた物を見極める眼は、優れた人を見極める眼に通じる。


料理、着物、家具、建物・・優れた物を瞬時に理解する。理解を因数分解して言葉に表現できる。それこそが目利きの要件。見る目がない人というのは、ブランドさえついていれば、無条件に良いものだと盲信する。もしくは価格、色、形といった有り体の分解能でしか物の価値を判断できない。


人に対する評価も全く同じで、学歴や職歴がよければ面談すべき優秀な人材と判断する。仕事が速い、言うことを黙って聞く、売上に貢献してくれる・・そんな有り体の分解能でしか人を判断できないような人は、その人が持つ本当の価値を判断できないし、価値を因数分解できないから人を粗末に扱ってしまう。


HRテックだなんて言葉がもてはやされている。だけど、物の価値が分からない人間につまらない道具や理論を振りかざして『優秀人材』だなんて語って欲しくない。

目に見えるものでしか善し悪しを判断できない人に『科学』なんてさせると、人の可能性や未来を奪うことになるからね。