Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

La La Land

金曜ロードショー「La La Land」地上波初放送。

僕は大阪帰りで遅く帰ってきたのですが、何度も見ている娘が見ていました。僕はこの放送のことは全く知らず、たまたま先週とても親しくしているYさんが好きだというこの映画を借りて見ていたのです。

ライアン・ゴズリング演じるセブ。最初は、本物のジャズたるものは・・と彼女に説き、押しつけがましく鼻持ちならない感もあるのですが、彼女の最大の理解者であり支援者。その想いや行動が相手にはうまく伝わらないところがこの映画のポイントで、彼女のために・・と思ってやっていることがすべて裏目に出ます。

結果として、彼女と破局してしまうわけですが、彼女の支援者としてのスタンスを崩さなかったセブは、立て続けにオーディションに落ち続けていた彼女に千載一遇、ラストチャンスとなるオーディションにトライするように説得。これをきっかけに、彼女はスターダムに駆け上っていくものの、それは彼と異なる人生を歩んでいく決定的なきっかけにもなってしまう。

結婚もして子供ももうけた彼女は、偶然にもセブに会う。彼は、彼女が彼とともに経営することを夢見、話していたコンセプトに忠実に従い、彼女が名付けた看板を掲げたジャズバーを経営している・・

店に偶然にきた彼女。セブは、突然の彼女との遭遇に驚き、そして別の人生を歩んでいることを察し、深く哀しみの表情を浮かべる。でも、最後は彼女を笑って送り出してあげる。恨み言一つ言わないで。

彼女の愛に忠実に生きたのに、彼女からは何の見返りもなく、何も手に残らなかったセブ。それでも、彼女に微笑む。並大抵のことじゃできません。お前のために有名バンドをやめて店まで作ったのに、何だよ!!なんて言いたくなるじゃないですか。

でも、彼の態度こそが本物の愛なんだろうね・・と娘と話していました。彼女も、ゴズリングが微笑んで送り出す、あのシーンが一番良いと言います。僕もほんとうにそう思います。看板が出てきたところから、じわじわ来るのですが。万感の思いを込めた笑顔のシーンはぐっときます。これこそ、自己犠牲の愛です。でも、なんて切ないのでしょう。

女性の立場になってみると、ここまで自分を深く愛していた人に、自分はなんて酷いことをしたのだろう・・と永遠に魂が縛り付けられてしまうような罪悪感。今の自分があるのは、彼のお陰じゃなかったのか、彼はすべてを捨てて自分の愛に生きていたじゃないか・・。

冷静に見ると、ちょっとエマ・ストーンもひどいんじゃないかって思うのですけど。現実にはこういうすれ違いはよくあることです。だから、ありきたりのハッピーエンドにせず、もしも二人の時間が巻き戻せたら・・という夢想シーンでいいのです。

あの映画を良くないと言っているのは、あらかた男性なのですが。きっと本物の愛の意味が分からないのでしょう。娘には、まじめな恋愛をしてもらえる男性に出逢って欲しいな。