Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

『対話』の効用

対話というと、小難しく聞こえるかもしれません。いうなればリラックスしたカフェや居酒屋での会話みたいなもの。


そこには、正しい、正しくないとか、あるべき、あるべきじゃないとか。結論とか話の筋道をはっきりさせようとかいう要素がない。感じたこと、思ったことをありのままに言葉にして語ることに力点が置かれる。聞き手が大事にすべきなのは、相手への興味であったり自分との接点の探索。


発した言葉に対する上げ足ではなく、どうしてこの人はこういうことを言うのだろう・・発言の裏側にあるその人の立場、動機に思いを馳せてみる。相手に思いをさらけ出し、言葉が紡ぎ出され、、互いにそれができるようになってくると、会話のラリーが続くようになってくる。


テニスに例えると、試合前に対戦相手と行うストロークが『対話』。相手の動きの逆やいないところにサーブやスマッシュを打ち込む試合とは違う。買った負けたじゃない。面白いことだが、本当に良いライバルとはストロークが長く続く。ライン際のボールでも。それは相手の動きに対する洞察とリスペクトがあるからだと思う。


自由に思いを語れる対話の良さは、まずなにより『カタルシス』があるということ。カタルシスとは、精神のデトックス。思いを表出する、相手と共感すると人はこれだけで心が晴れやかになるし、快感を得ることができる。


そして、ふとしたところから相手の強みや自分との接点、何気なく感じていた潜在的課題を『発見』することができること。


だから、黙ってパソコンに向かい合っているような組織は、一見効率性が良いようで、個々人には鬱積とした負の感情が積み重なり、互いがコネクトせず、孤軍奮闘を繰り広げているだけで、効率性が良くないのだと思います。


最近注目されるようになってきた『対話』ですが。理論として良さそうだからという以前に、僕は個人的にはおしゃべりが好きな人間なので、相手の様子を見つつも、できそうな時には、いつもおしゃべりをしています。1on1でも、僕はだいたいメンバーとは30分を大きく超過して1時間位は話をしています。基本、互いに楽しいからやっているだけなのですが・・


とはいえ、お酒が入らないと会話ができないとか、おしゃべりは苦手って人も一定いるのは事実。でも、少なくともマネジメントするのであれば、コミュニケーションのハブになるように、嗜好を脇においておいて、自分を演じてでも会話をしたほうがいい。会話のある職場は、間違いなく”働いて笑える場”になるはずですから。