Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

転校生

会社を変わったり、長期休暇後に異部署に復職するというのは、転校生の状況。期待よりは不安、安心より恐怖。いい大人になったんだから、気にしたってしょうがないよ。人はそう言うかもしれない。でも、人は大人になったからといって、そんなに器用になるものでもない。ある人においては、いつまでも無防備な子供とメンタリティは同じだったりする。

 

 

一見の人であれば、出来るかもしれない。うまく笑って、饒舌に話しかけることも。でも、なんだろうね。毎日会う仲間となると、どうしてぎこちなくなってしまうんだろう。

 

 

きっと相手の気持ちが気になるからだと思う。奇異に見つめる瞳、その奥にある気持ちは分からない。確かめる一搾りの勇気があれば。でも緊張はブレークできないまま、羽は固く閉じて縮こまっていることしかできない。重苦しい空気に心は悲鳴を上げているというのに。

 

 

昔、一度だけ転校生になったことがある。東京の小学校から千葉県への転校。違う教科書、給食の食べ方、長い通学路、クラスメート。全て馴染めなかった。ある日、給食でおかわりをしたら、作法が違うといって猛烈に批判をされた。ヨソ者だと見なされていると、決定的に思った。毎日の学校が嫌で仕方が無かった。

 

 

家路に向かう1キロの道のり。帰りはいつも独りだった。その僕に、あるときから熱心に話しかけてくれるクラスメートがいた。たまたま方面が一緒だったその子は、心を開かない僕に、いつも熱心に話し掛けてくれた。次第に彼とは打ち解け、友達になった。それをきっかけに、クラスにも馴染めるようになった。

 


クラスが変わっても、彼とは仲が良かった。だから、誕生会の時には違うクラスだったT君だけは呼んだ。でも、彼は、最後まで僕たちとは一緒にいずに帰ってしまった。あの場では、彼が転校生だったのだ。どうして、その事が分からなかったのだろう…

 

 

1年前のこと。緊張の面持ちで職場に赴いた僕は優しく、包容力のある眼差しで迎えられた。とはいったって、すぐに自分が出せるわけじゃない。でも、文字通りの裸の付き合いとなる合宿プログラムなどを通じて、転校生の時期はあっという間に終わっていった。

 


まっさらな緊張感が人を育てることも知っている。一方で、過剰なパワーを内向きに使うのが転校生の時期。同じように不器用な人がいたら、声をかけてあげたいなと思っている。あの時のT君のように。