Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

静かにきたソリチュード

失恋を題材にした曲はとても多い。その中でも、独自の心境を描いているのが、今井美樹さんの『静かにきたソリチュード』。大抵の失恋ソングは、孤独=ロンリネスを歌っている。分かりやすいのが、♪I can stop the loneliness で始まる杏里の「哀しみがとまらない」だったりする。


「静かにきたソリチュード」は、寂しい気持ちを傍らに置きながら、冷静で達観した視点で自分を見つめている歌。


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強がりな背筋をのばすの
陽射しだけが 寄りそう街
つま先の動きが不自然
あなたといた冬を探せない


恋人たちの舗道
青空を写したShow Window
まぶしい光は すくい上げる指を
こぼれ落ちた

I miss you
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一番は、強烈なコントラストで喪失感を歌っている。でも、転換するのがサビ。


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あなたが風なら私は花びら Pain my heart
寂しい気持ちは季節に似てるわ
音もなく 今 静かにきたソリチュード
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喪失感が消え、フラットで達観した感情に転換している。そして、二番


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さりげなく私を庇って
おどけた路 わざと逃げた
アドレスを書かないカードが
届いて知る最後の優しさ

あなたが選び取った
その道を信じていてね
嵐の後で窓をあけるように
心を見た
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悲しみも怒りも、喪失感もない。嵐が過ぎ去ったあとの、陽光が差し込むような清々しい気持ちに昇華していたりする。哀しく寂しい気持ちなど、季節のように過ぎ去って、また希望にあふれるときが巡ってくるのだ・・と。


この曲を作詞した戸沢暢美さんは、J-popのヒット曲を数多く書いている。SMAP、嵐、Kinki-Kids、渡辺美里さん、南野陽子さん、谷村有美さん。


戸沢暢美さんは、残念ながら2012年に食道癌でなくなってしまった。昔は歌手だけにフォーカスして聴いていた好きな歌が、独りの作詞家で繋がっていたということに、相当に時間が経って気づいたりする。彼女は、どういう生い立ち、雰囲気を持った人だったのでしょうね。

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