Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

空のダムを売る仕事

タレントマネジメントシステムなんてのは、言うなればただのダムだ。


ダムはそれ自体に価値があるのではなく、貯まっている良質な水に価値がある。だが、多くのベンダーは、ダムさえ造れば水が溜まるかのごとく美辞麗句を並べ、ダムを作らせる。結果は、空っぽや泥水の溜まったダムの出来上がり。


『事業に必要な良質の水を確保し振り分ける』という本来の目的に立ち返ると、ダムを作る前に良質の水を引いてくるための遠大な工事を行う必要がある。時に堰き止められている源流の障害物を取り除く事、降った雨が泥水として流れていかないよう斜面に根を張った森林を育てていくこと、バラバラになっている水利権を中央に引き上げていくことも必要だったりする。


すると、ダムを造るのではなく、良い水を貯めるための水源確保、護岸工事、森林形成といった人財マネジメントという仕組みの全部を変えましょうということに等しくなる。


そう考えていくと、タレントマネジメント専門のコンサルタントって一体何者なの?と思うし、ダムを売るだけの営業マンって一体何者なの?と思ってしまうのである。そもそも、彼らは自分の仕事の意義を見いだせているのだろうか…ともね。