Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

暮らしと戦争

『一人一人が自分の暮らしを大切にしていたなら、戦争にならなかったと思う』

 

暮しの手帖の創業者であり編集長だった花森安治さんはこう述べています。彼が始めた『暮しの手帖』は、本当の意味での『豊かな暮らし』の形や大切さを一人一人に伝えていくために作られた雑誌。

 

実際、経済的には決して恵まれていなかったにせよ、豊かな暮らしを謳歌している国民は戦争など起こさない。仮に起こしたとしても、長続きしないでやめてしまう。バカバカしいから。それを体現した国がイタリア。

 

イタリアは、日独伊三国同盟を結び、第二次世界大戦の枢軸国の一つ。でも、ムッソリーニ独裁政権で始めた戦争は、士気の低い軍勢力が多かったために、連戦連敗で早々と連合国に対して降伏。ムッソリーニ退陣後は、連合国側になって日本に宣戦布告をしています。ポツダム宣言受諾一ヶ月前のことです。そう、イタリアはちゃっかり戦勝国側になり、敵国条項から逃れているのです。これ案外知られてません。

 

軍服が汚れることを嫌い、銃よりもワインを持ち運び、服務においても美味いパスタとエスプレッソを飲むことを優先するイタリア。イタリアは、南北の格差が言われますが、南イタリアは収入こそ低いものの、暮らしている人たちはスローライフに人生を謳歌しています。彼らが、負け戦が分かっている戦争など長く続けられるわけがない。


考えてみれば、凶悪犯罪を起こす犯人だって、幼少期の家庭生活や今の生活が荒んでいて、大切にしたい暮らしなんてものがないケースが多かったりします。それを考えると、精神的に豊かな生活を送ることが、戦争をなくすために一番大事なことになるのでしょうね。