Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ストレートピッチングと愛嬌力

若さの特権は何も持っていないことであり、物を知らないこと。


それは、素早くものを決めて動けることや教えを受ける機会に恵まれる事に繋がる。また、何もない、持たないというのは、弱さでもあるがゆえに、誰かの庇護を受けたり、可愛がられることに繋がる。相手に対する気配りが合わされば、それは愛嬌力という武器になる。

 


ただし、愛嬌も度を越すと、「いじられダメキャラ」や「何でも言われていい系女子」に成り下がってしまう。とかく相対性の価値観に縛られがちな会社組織。自分を落としておくと、生き残りやすいのかもしれない。とはいえ、自分でない自分を演じていると、そのツケは自分に還ってくる。自尊心は傷つくし、本当の自分の限界点も下がっていってしまう。


20,30代ではそういう人ってまま見かける。でも、そのまま40代にもなったら、ただの痛い人。その内、本当に駄目な人の烙印を押されて終わってしまう。


先日、ある若手の子と話をしていた。この子は、20代半ばくらいで経験値もまだ多くのないのだけど、非常に筋がいい。先を読んだ段取り力があるし、本質をつかむのが早い。器量も良いのだが、普段は全くそれを全面に出そうとしない。むしろ敢えて押し隠しているような印象すら受ける。

 


『自分は愛想を振りまいてそれで、上に行こうとか嫌なんです・・。しっかり、実力をつけてそれを認めてもらいたいんです』


なかなか骨があっていい。きっと、自分に自信があるからこうした凛とした態度が取れるのだろう。ピッチングでいったら、変化球とか駆け引きではなく、ストレートのスピードと制球に磨きをかけてエースになろうとしている子だ。


若い内から、変化球や駆け引きのごとく、愛嬌力だけで周囲を御することに慣れてしまうと、若さがなくなるとともに、パフォーマンスも出なくなってしまう。コンサルタントであれば、論理思考や分析、リサーチ、ドキュメンテーション力といったストレートのスピードに磨きをかけてほしい。一方で、ストレートに過度にこだわるのは、案外と不器用だから・・というのもあるのかもしれない。


『私、悩みがあって、モテないんです・・』


スキのない雰囲気を出していると、周りに対しては近寄りがたい雰囲気を与えるから、ことプライベートにおいてみたら諸刃の剣なんでしょう。ちょっと、顔を上げて微笑みを投げかけられたら、周りに与える印象や関係性が一変するのは間違いないと思うのだけど。